荒城の月のすべて
童謡・唱歌 キングレコード キングレコード 斎藤寿孝
バラエティに富んだ演奏から何を想うか?
「荒城の月」には、いろいろなアレンジがあるとは何となく思っていたが、何よりも重要なアレンジが山田耕筰によるものだということ・・・私は、そのことを海老沢敏著「瀧廉太郎−夭折の響き」(岩波新書)で読んでいたのであるが・・・そのことを、このCDの20件の演奏から思い知った。確かに、添付された原曲の楽譜を見ると、第2小節の8分音符のひとつに♯が着いている。それに対し、山田耕筰編のそこには♯がない。さらに、原曲はロ短調、アンダンテで8小節からなっているが、山田編ではニ短調、レント・ドロローソ・エ・カンタービレで16小節、したがって前者は8分音符が基本のところ、後者は4分音符が基本となっている。
このCDに収録された20件の内、瀧に縁の深い竹田市の児童合唱団の合唱とスコーピオンズのハードロックの2件のみが瀧廉太郎の原曲に基づいている。他は、山田耕筰編曲のものである。我々が何気なく歌うとき、それは多分、山田編のそれであることが多いのではなかろうか。いずれにせよ、この曲が日本人の心をとらえる名曲であることには違いない。
私は、この曲をはじめ、瀧の曲のほとんどが、日本的な情感を西洋音楽の枠組みに、この上ないほどうまく取り込んでいると思う。上記の♯も、瀧のその辺りを山田との対比で示しているのではなかろうか。しかし、その正否はともかくとして、彼の力量をもってすれば、更に、日本古来の、それも特に民衆の歌の伝統を、東西の違いを超えて現代の、あるいは未来まで生きる音楽として我々の前に現してくれたのではないか、と思うのである。このCDを聞いた後、私はそんなことをまじめに考えている。
何はともあれ、まずは、このCDでバラエティに富んだ演奏を楽しんでみよう。
ヘフリガー和歌をうたう
エルンスト・ヘフリガー マイスターミュージック マイスターミュージック
マーラー:交響曲「大地の歌」
ワルター(ブルーノ) ソニーレコード ソニーレコード ワルター(ブルーノ)
ワルターは未だ超えられない
ワルター-ウイーンフィルはよく言及されるが、このアルバムにはふれられることが少ないようなので一言いいたくなってしまった。大地の歌は名演奏らしきものがでるとよく買ってしまうのだが、残念ながらこのアルバムをしのぐと思ったことがない。感銘を呼ぶのはマーラーの直弟子たるワルターならではの思い入れのためであろうか?深い叙情性はさすがである。
赤とんぼの謎
童謡・唱歌 キングレコード キングレコード アルフレッド・カンポーリ
満腹感のある内容
聴き応え、冊子の読み応えがしっかり感じられる内容です。
冊子はコラムや《赤とんぼ》に関する音楽理論やエピソード、山田耕筰自身の文章など、小さな論文集のようなつくりになっています。曲を深く理解でき、より興味をもって何度も聴くことができるようになると思います。
CDの方は同じ曲が演奏者や楽器を変えて、様々な方面から《赤とんぼ》の魅力を見させてくれます。
英語やドイツ語などに訳された歌は印象的でした。
少々中だるみ感もありますが、各自の好きな《赤とんぼ》を見つけることができることでしょう。。。
これからもこのような専門的なCDの登場を期待しています。
ヘフリガーの芸術
ヘフリガー(エルンスト) ポリドール ポリドール ベルリン放送交響楽団
ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」
ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団 MEMORIES REVERENCE MEMORIES REVERENCE ヘルベルト・フォン・カラヤン
バッハ:マニフィカト
ミュンヘン・バッハ合唱団 ポリドール ポリドール バッハ
マニフィカトの独唱者が秀逸
リヒターの指揮したバッハの宗教作品のなかで、この「マニフィカト」は最も成功したものの1つであろう。特に独唱者4人の歌唱が秀逸で、シュターダー(S)テッパー(A)ヘフリガー(T)F=ディースカウ(BR)の組み合わせによるものは、「マニフィカト」以外の録音でも安定した歌唱を聴かせています。
バッハのマニフィカトは、「わが魂は主をあがめ」と歌いだされるマリアの賛歌で、全12曲からなっています。1曲1曲の長さは、長いもので4分以内と短めで、かつどれもがバッハの珠玉のメロディーがちりばめられています。私個人としては、第6曲「エト・ミゼリコルディア」に心を惹かれます。合唱はハーモニーの純度など、現在の水準から不満を持たれる方もあるかもしれませんが、決然とした歌いぶりはこの曲にふさわしいもの。
一方の「シェメッリ歌曲集」は、バッハの作、及び編曲のものが含まれているというもの。宗教的体験の無いものにとって、収録曲全曲が共感できるとは言い難い。
バッハの愛らしい宗教作品です。バッハのイメージというより、ヘンデルの華やかさを感じます。
バッハの宗教音楽と聞くと堅苦しいイメージが付きまといます。マタイ受難曲、ヨハネ受難曲やロ短調ミサのような荘厳で重厚な作品はそうですが、この『マニフィカト ニ長調』はとても愛らしい作品です。
クリスマスを迎えるのに相応しい華やかさと明るさが全曲から感じられ、とても親しみを覚える作品です。
変ホ長調で書かれた『マニフィカト』を元に、ニ長調に移調し、楽器を増やし、挿入曲を減らしたものが、この『マニフィカト ニ長調』の作品になります。
ソプラノ、メゾ、アルト、テノール、バスそれぞれのアリアがとても美しく祝典的な彩りを感じさます。印象に残る旋律が至る所に使用されていますので、宗教曲嫌いの方も飽きずに聴き通せる作品だと思います。
またアリアと合唱曲のバランスが上手く取れていてどちらにも重要な役割を与え、全曲の構成のバランスを取っています。このあたりがバッハによる音楽構成の巧みさの表れなのでしょう。
カール・リヒターの指揮する音楽は、厳格でしかもメリハリがあり、この曲の持つ祝祭的なイメージははっきりと伝わってきます。ミュンヘン・バッハ管弦楽団とミュンヘン・バッハ合唱団との一体感が感じられる演奏が収められています。
200以上作曲した教会カンタータのような堅苦しさもありませんので、バッハの宗教作品として最初に触れられる作品としては大変良いと思いますので、お勧めします。
えっ!バッハ?
輝かしいトランペットによる合唱でこの曲は開始する。”バッハ?”。マタイ・ヨハネ受難曲・ミサ曲ロ短調・教会カンタータとは明らかに違う。解説を紐解くと、クリスマスの礼拝に歌われた曲とのこと。喜びに満ち溢れたこの曲を聴いていると、結婚カンタータやコーヒーカンタータもと期待してしまう。カール・リヒターとバッハにますます傾倒してしまう一枚。
バッハ:マタイ受難曲(全曲)
リヒター(カール) ユニバーサル ミュージック クラシック ユニバーサル ミュージック クラシック リヒター(カール)
とても1950年代の録音とは思えない
輸入盤のおよそ倍の価格ながら、SHM-CD限定生産ということで
思い切って買ってみました。
他の演奏者によるCDは持っていませんので聞き比べはできませんが、
おおよそ1950年代の録音とは思えないほど音質がいいです。
俗っぽくいうと「ヌケがよい」とでも言うのでしょうか。
おなじくバッハの無伴奏ヴァイオリンソナタもSHM-CDで買いましたが、
こちらも録音の古さを感じさせない、いい音を出してくれます。
惜しむらくは後2割ぐらい安ければいいんですけどね。。。
浜千鳥~宵待草/ヘフリガー、ドイツ語で歌う日本の歌曲 VOL.2
ヘフリガー(エルンスト) ユニバーサル ミュージック クラシック ユニバーサル ミュージック クラシック 山田耕筰
日本の歌曲を歌う(ドイツ語訳に
ヘフリガー(エルンスト) EMIミュージック・ジャパン EMIミュージック・ジャパン 中田喜直
好き嫌いあると思いますので
無条件にお勧めは出来ませんが、私は大好きな一枚です。
日本歌曲は(日本歌曲に限らず、どの国の言葉でかかれた歌もそうですが)、音と言葉の結びつきが本当に強くて、それを切り離してドイツ語にしてしまうことに違和感がないではありません。
けれども、例えば、山田耕筰など、彼がシューマンの影響を受けているというのは周知の事実ですが、それがドイツ語に訳されて歌われると、強く実感されます。そういう意味では勉強になる一枚です。
あるいは聴きなれた日本歌曲とは違う曲だと思って聴いてみるのもまた一興です。訳詞が非常に上手につけてありますので、出来のよいドイツリートを聴いている気分です。それでいて、ドイツリートにはない、非常に漠然とした「日本らしさ」のようなものを感じられます。
ヘフリガーは全体に静かでしっとりとした音楽を聴かせてくれます。素晴らしい歌唱です。
1 | 2 | 3 | 4 | 5 | 6 | 7 » [12]
合計件数:112 合計ページ数:12