ワーグナー : 楽劇<トリスタンとイゾルデ> (全曲) ワーグナー : 楽劇<トリスタンとイゾルデ> (全曲)
ニルソン(ビルギット)   ポリドール   ポリドール   ワーグナー  
ベームの名は、この演奏によって後世に残るでしょう
歌手はニルソン、ヴィントガッセンをはじめとして、伝説的なワーグナー歌手が結集。そしてベーム指揮のオーケストラがまたスゴイ。官能的に、とかそういうことを一切考えず、むしろオーケストラの音は硬め。金管は、ワーグナーにしては出番の少ない曲ですが、ここぞというところで思いっきり咆哮しています。最初聞いたときは、出しすぎではと思ったのですが、これに慣れてしまうと、他の演奏は軟弱で聞いてられません。録音も優秀。現代の録音と比べても、遜色ありません。昔から評価が高いのも納得。最近評価が揺らいでいるベームですが、このCDがある限り、21世紀にもその名は語り継がれるでしょう。
ベームの実力
いきなりクライバーやフルトヴェングラーを聞くとほかの演奏が聴けなくなると思いベーム盤を買ったのですが、大間違いでした。凄い迫力です。ベームはライブだという評判は間違いないと、確信させる名演奏です。
バイロイトの奇蹟
私はクライバーのトリスタンも愛聴しているが、どちらも甲乙つけがたい。
だが、迫力の面ではどちらを選ぶかと問われれば、やはりこちらに
軍配が上がるだろう。録音面では極めて良好。スタジオ録音でも
ここまでの完成度は難しい。バイロイトの奇蹟。
入門者も飽きずに聞くことができる。
新バイロイト様式のひとつの頂点がここにある
 1966年7月、バイロイトのライブ。言わずと知れた、ヴィーラント・ワーグナーによる「新様式」によるものである。

 速めのテンポで進む前奏曲から「イゾルデの愛の死」まで、緊張の糸は切れない。これが、ヴィーラントの意図したものである。

 それまでワーグナーとは無縁と思われていたベームが残した、バイロイト史上でも忘れることの出来ない名演である。フラグスタートの跡をついだニルソンの全盛期の歌唱とともに、後々まで語り伝えられる演奏である。ペーター・シュライアーの若い声も新鮮で魅力的だ。  録音の秀逸さも特筆に値する。


ワーグナー:ニーベルングの指環 ハイライツ ワーグナー:ニーベルングの指環 ハイライツ
ベーム(カール)   ユニバーサル ミュージック クラシック   ユニバーサル ミュージック クラシック   ベーム(カール)  
すばらしい推進力のあるワーグナー
全く同意見のみならず同経験のレビューが載ったので書かせてもらうことにした。ただLP18枚の初出のころは
当方貧乏高校生で、同じクラッシック好きの父親をそそのかしてLPを購入したところが違っているが。

すでに父がショルティの「ワルキューレ」を所有していたので、そう何枚も買うわけにいかなかったから
(当時(1970年代前半)の物価を考えると、やはり高かった)ちょうど1000円位でサンプル盤が出たのでそれで我慢した。

歌手もすばらしいし、今やこれだけの人材をそろえるのは不可能だと思うけれど、やはり特筆すべきはベームの指揮であろう。
ジークフリートのラインの旅等で音楽が高揚していく時の推進力のすばらしいこと!ややざらっとしているが
生々しい録音がかえってそれにふさわしい。
ヴァーグナー畢生の超大作は声楽なしでは…。その世界に入る前の「お試し盤」としても有意義
私事だが、僕が初めて《指環》の音楽に接したのはこのベーム盤の「サンプル盤」であった。
つまり、LP18枚組での発売に際しこの大曲を良く知る人向けに、聴き所を紹介したもので、対訳も解説も一切なしのものだった。貧乏学生だった私はこれに飛びついた。(そういう趣旨なのでLPで本盤より遥かに短いけど「ヴォータンの告別」などは本盤収録部より長く、ブリュンヒルデの最後の歌から入っていた)

つまりよくある「オーケストラのみ」のハイライト盤ではなく、初めから声楽入りで聞けたのである。これは幸運だったと思っている。
さて、本盤は安価にも係わらず、全体のあらすじと対訳(その「訳」は問題外のひどいものだけど)がついている上に、CD故、僕が磨り減るほど聴いたサンプル盤より遥かに収録内容は豊富である。「現代(いま)の人は幸せだな」と、つい思う。
但し、2点。

《指環》は全部を聴いてこそ価値がある。こうしたハイライト盤では《指環》はわからない。愚見では、有名とされているけど、全体の流れの中ではむしろ「空疎」である部分さえ存在する。また、僕にはかけがいのない《指輪》も全ての方に薦められるものではない。イタリア・オペラの楽しみとは根本的に異なる。

第二に、「すり込み現象」があるようで初めて聴きこんだ盤が「ベスト盤」になる傾向があるように思う。
クラシックレコード業界の大不振のおかげで同様な安価のハイライト盤が他にもある。出来れば2つ3つ聞き比べてから、全曲にチャレンジすることをお薦めする。

実際に僕はどれか1つといわれたらベーム盤を採る。
歌手陣の圧倒的な力と、ベームの棒である(トラック1などでこれまでか!と思うほどに「繰り返し」が行われる意味を表現できる指揮者は極めて限られる)ただ、勘違いでなければトラック2は最後まで入るはずなのに…。
(B.ニルソンが87歳で亡くなった。ご冥福を祈りつつ)


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ベーム(カール)   ユニバーサル ミュージック クラシック   ユニバーサル ミュージック クラシック   ベーム(カール)  
均衡のとれた演奏
もうこの盤を手にしてから10年以上になりますが、今でもその彩色を失いません。僕は指輪ではショルティ盤、カラヤン盤についで3番目に購入し、聞きましたが全般に均衡がとれている演奏だとおもいました。ライトモチーフをはっきりききたいのならばショルティ盤に限ると思います。ベーム盤では、歌手の歌がはっきりしそのためライトモチーフが聞きずらい点がありますが、オーケストラと歌手(特に歌手陣がショルティ盤とカラヤン盤と共通しているヴィントガッセン、ニルソン、スチュワートをよく聞きたい方)が均衡のとれた演奏を聞かせてくれるとおもいます。
素晴らしい名演奏!
本CDを購入する際、ベームの人間味が裏目に出てしまうという評価もあり、その意味がよくわかりませんでしたが、実際聴いてみて、何となくその意味がわかった感がします。とにかく金管が生々しくズシッ、ズシッと押し寄せてきて、カラヤンのような軽やかさともショルティのような激しさとも違う、深く濃い音が迫ってきて、圧倒されました。また、バイロイトでの演奏ということもあってクナの1951年盤とも比べてみましたが、音の厚みは全く対等と言ってもいいのではと思いました。とにかく驚いたのは、ベームもクナも思ったより演奏が速かったこと。しかし、セカセカした感がなく、じっくりと聞きこむことができました。なお、クナの時は思わず、ベームの時にふと思ったのは、ライブであるからか、ヴィントガッセンが遠くにいるような感じがしたこと、後はここでもっと声を伸ばしてほしいと思ったところで切れてしまうことがあったこと、しかし、演技しながらの唄ですので、これを正せと言うことはできないでしょう。兎に角、全編にわたって緊張感は持続し続け、それだけでも素晴らしい名演奏だと思いました。

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ORFEO   ORFEO   ワーグナー  
ヴァーグナーの伝統とはなにか?
 この1956年にクナッパーツブッシュが振ったニーベルングの指輪はジークフリート・ヴァーグナーやハンス・リヒターに通じる一つの「伝統」の哀歌ではないだろうか。20世紀は、二つの大戦と高度な科学技術の普及による情報通信の劇的な飛躍を経験した、人類の経験した100年のなかでも稀有な世紀といえるだろうが、ここには、そうした「20世紀」の姿よりも、ゆるぎない大樹のような一つの基準を順守する芸術家のみに成しえる普遍性がある、それが、1956年という「モダン」という言葉がヒタヒタと浸透し始めた年代に行われたということに、わたしは感嘆してしまう。
 クナッパーツブッシュのこのリングは、かって、わたしはゴールデンメロドラマのクナッパーツブッシュ協会監修のボックスもので聴いた。そして、前記したような、普遍的なヴァーグナー、少年だったCSルイスやトールキンがあこがれた神話的な世界のヴァーグナーとして響いたものである。それに、ここには、ヴィンドガッセンやホッターのような世紀を代表するヴァーグナー歌手が素晴らしい演奏を聞かせてくれる。ただ、このような音楽はやはり映像でヴィーラントの演出とともに楽しみたいものである。レコードでオペラを聴くのと歌劇場で聴くのは印象が異なるものだ。

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